見出し画像

校内研究(5年生公開授業)(6月19日)

 本校は、私がこれまで経験した学校の中では比較的、校内研究が盛んに行われ、教職員も皆、それを当たり前に受け止めいつも前向きに取り組んでいるように思います。時折行われる、参加自由の、短時間研修の参加率もほぼ毎回100%に近いので、向上心の強さは相当高いのではないでしょうか。

 そんな中、この日は5時間目に、5年生の算数の校内授業研が行われ、その後は子どもたちが下校した教室で事後研究が行われました。
 授業は、「わり算の世界を広げよう」という単元で、小数÷小数の計算の仕方の単元テストの前の時間、つまり、これまでの学習の復習の時間でした。
 

授業の冒頭で今日の授業の流れを確認する

 教室前面の大型モニターには、この時間の流れが表示され担任からの説明があります。担任が細かく口を開くのはこの時間だけでした。

AIドリルの取り組み状況の確認

 本町では、どこの小・中学校でも、AIドリルとしてQubenaが取り入れられています。ここで、この単元での子どもたちの取り組み状況を確認し、子どもたちに集中して取り組んでほしいところを確認します。
 その後、デジタル教科書や算数ドリル、デジタル指導書を購入した際についてきた印刷して使用するワークシートも用意してあることを伝え、子どもたちが個別にテストに備え、取り組む材料を提示したところで、ここからは子どもたちの出番です。


AIドリルは、計算過程も自由に書いたり消したりしながら答えを確認できます


個別に問題を選んで取り組んでいます

 ほとんどの子どもがすぐに机から端末を取り出し、AIドリルでまだ未実施の問題に取り組み始めました。
 担任は、自分の端末から個々の子どもたちがつまづいている様子をみつけては、個別指導に回ります。この間に、AIドリルを終えた子は、すぐに違う媒体での練習問題に向かっていました。えらいもんです。
 


机をグループ学習の形に並び替えて続きを

 授業の後半は、やることは同じですが、机をグループ学習用に並び替え、その中でわからない問題があった子は、他の子が教えに回り、みんなでわからないところがなくなるように目標を持ちます。

今日の授業の振り返りをExcelに入力

 授業の最後には、Excelシートに用意した振り返り画面の自分の名前の欄に、どのくらい理解できたかどうかを選択方式で入力し、その横に、具体的にどのように理解できたか、何ができるようになったか、どこがまだよくわかっていないか自己評価を入力します。
 これも、モニターに表示しながら、担任が理解が難しかった子どもへこまめに声がけをしていきます。

 今回は子どもたちが中心になり、個々に進める学習。内容によっては、担任が教える必要のある学習や、子どもたちが話合って進める学習の時間もあるでしょう。今回、担任は、単元を一つのまとまりとして捉え、その1時間1時間をどう扱うか学習計画票を作成して授業に臨んでいました。
 一人1台端末があるから、ICTの時代だから、四六時中端末と向き合う必要はないわけで、どこでどのように使うかを担任がまず想定し、設定することによって子どもたちは、こんな時は端末を使えばいいんだという感覚を養っていきます。
 実際、本校の子どもたちは高学年になると、「先生、ここ端末使っていいですか?」と授業だけでなく、ふだんの学校生活内でも端末を使う場面を選択できるまで成長してくれています。

 デジタルでできることはデジタルで!

 今は、もしかしたら教師よりも子どもたちの方がこのことを実践できるようになってきているのが頼もしい限りです。(文責:本谷)