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ICTに関わる実践資料 その3

 本連載もいよいよ最後です。ICTの実践といっても、特に目新しいことも難しいこともしていないですよね。誰もが実践できる、いや、もうされていることばかりのことと思います。大事なことは、「学校全体で系統立てて取り組まれていることか」だと思っています。

 5年生では、独自に前日の夕方、または当日の朝に、担任がTeamsに、その日の予定や朝にすべきことを投稿し、子どもたちはそれを見て朝は動いています。これで学級全体が、端末を使う準備が整っていることになるのですね。宿題の解答も添付し、自分で○つけをすれば朝の会は、とても有意義な時間となります。

  その1で書きましたが、本校ではTeamsが要です。そして、朝に登校した子どもたち、出勤した職員は、Teamsの確認をすることで、いつでも端末を使える準備ができています。つまり、子どもたちにとっても、先生方にとっても端末は、文房具の一つとなっています。その文房具としての端末の使い方を示す例がこれです。
 ここでは、理科でダムの勉強をしていました。様々なダムの種類があることを担任のモニターで学習し、ここで「砂防ダムについてちょっと調べてみよう」と、Teamsにリンクを張っておいたGoogleMapへ子どもたちを誘導します。北海道の中で「砂防ダム」と検索させ表示された場所から「どんな地形の場所に多いか」、またそこの写真から「どんな形の特徴があるか」を調べます。これを図書室にある本から探したり、Googleで検索したり、などとは時間の無駄が多すぎますよね。担任が、その場ででもいいからリンクをTeamsに張れば時間を有効に使えます。

 6年生は、算数の課題のみ貼り付けOneNoteに、自分の考えをまとめていました。説明は、上の資料の右側を見ていただければわかると思いますのでここでは割愛します。OneNoteを使って課題を解くのは子どもたちには好評のようです。

 6年生は、様々なツールを用いて授業を行っているせいか、子どもたちが「この場面ではこのツールを使いたい」とその場にあったツールを選択する力がついています。上の写真では、Teamsにあらかじめ、「この資料をもとにして」とリンクを張った資料を選んで、パワーポイントに個々に課題をまとめている様子です。ホワイトボードと異なり、大きさの決まったシート1枚に収めるという目的もあり、こういう制約に対しても子どもたちはすぐに受け止めることができます。

 6年生だけ3つの紹介。MESHを用いたプログラミング学習の様子ですが、これについては、他の投稿で詳細に紹介していますので、ここでは説明を割愛します。

 特別支援学級でも、1人1台端末は活用されてます。こちらは、授業に関する学習内容をまとめた動画のリンクをTeamsに張って視聴している様子です。

 本校では、毎週火曜日の朝学習の時間は、全校一斉にAIドリル「Qubena(キュビナ)」を用いて自習を行わせています。担任が問題を配信する場合があれば、個々に自分の苦手な部分の復習、授業は終わったけれどまだ取り組んでいない問題と、それぞれの学年で取り組ませかたは異なりますが、逆に様々な取り組み方が可能なところや、子どもたちの学習履歴を担任が確認できるところがAIドリルのいい部分ですね。

 全校というより4年生以上になりますが、児童総会の議案書もペーパーレス化で、PDF化したものをTeamsに張って、総会時には端末を見ながら進めていきます。紙のガサガサする音がなくなっただけでも集中できる気がします。児童総会に端末が必要か、という議論でなく、子どもたちに「こういう場面でも端末を活用できるよ」と示すことで、子どもたちの活用能力は上がっていくではないでしょうか。

 3回目だけ、1回目、2回目の倍近くの長さになってしまいました(4回に分けてもよかったか?)。
 本校ではこのようにTeamsを要とすることで、職員の打合せは、月に一度の職員会議や、週に一度の水曜週会のみで十分目的が達成されています。ここで、どの職員も端末を用いることが当たり前となっていることが学校全体で1人1台端末を活用するのに大事なことだと思います。

 そして、子どもたちには、とても便利な文房具の一つという認識で端末を活用することで、将来社会に出たときに、端末があるのが当たり前という意識を持ってくれることでしょう。
 メリットをあげるときりがないし、まだまだ凝った取り組みをしている学級もあるのですが、今回の紹介はここまでとします。
 3回に分けた連載ですが、この長文に最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。